北朝鮮の労働者の平均的な月給はざっと1500ウォン程である。現在の実勢レートで18.75円だ(1000ウォン≒12.5円)。社会主義を標榜している北朝鮮では、原則として月給は国が定める。食糧配給が実施されていた時代はこの月給で暮らしていけた。しかし配給制度が破綻している現在、食べ物はもちろん、あらゆる生活必需品は市場で現金で購入しなければならなくなった。

最近の食糧価格は、1キロ当たり白米は4500ウォン、トウモロコシが800ウォン程。4人家族で最低3万ウォンの現金収入がないと飢えることになる。職場の裁量が近年拡大し、公定月給の5~20倍を出す工場も出現しているが、それでも厳しい。

女性の稼ぎが家庭を支えるようになって、彼女たちの立場は当然強くなった。北朝鮮に住む取材協力者の女性たちの中に、夫に三下り半を突き付け離婚する人が年々増えている。「家事すらしない男ならいらない。こりごりです」と口を揃える。

今や妻の商売の手伝いや、水汲み、掃除など家事をする男性は珍しくないという。「モンモンイ」のままでは捨てられてしまうのだそうだ。
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