橋下徹前大阪市長が、新たに条例まで作って奥下剛光氏を特別秘書に採用したことは裁量権の逸脱だなどとして、大阪市の住民が給与の支払いの停止と、すでに支払われた報酬の返還を求めていた裁判で、大阪地方裁判所は8日請求を棄却した。(アイ・アジア編集部)
◆原告の訴え
奥下剛光氏は、橋下徹後援会(解散)の会長奥下素子氏の息子。裁判で原告は、奥下素子氏ら親族はパーティ券をあっせんするなどして多額の政治資金を集めて橋下氏の政治活動を支えており、息子の剛光氏を新たに条例まで作って大阪市の特別職に採用したのは「情実採用」だと主張。
また、奥下氏は、橋下氏が関係する選挙の度に6回も休職-復職を繰り返していたにもかかわらず、2015年10月までに総額2087万円もの報酬を受け取っており、大阪市民の税金を使って奥下氏を「私設秘書」のように使っていると指摘。
さらに、奥下氏には出勤を示す文書やタイムカードがなく、業務内容を示す文書も、会議などに参加したなど公務に関する活動をしていたことを示す文書もなく、秘書としての業務内容記録がないとして、2013年5月に奥下氏への給与の支払いの停止と既に支払われた報酬のうち629万円余りの返還を求めていた。
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