社会主義を標榜する北朝鮮だが、金日成-金正日の時代から、指導者一家を頂点とする特権層と庶民の間には、凄まじい経済格差が生じていた。平壌出身の脱北者で、地方都市で生活の経験もあるハン・ジョンシク氏(仮名)は次のように言う。

「平壌の特権層と庶民は、もう別の人種だと言ってもいい。会話しても、互いに何を言っているのか、わからないことだらけでしょう」。

平安北道に住む取材パートナーのキム・ドンチョル(仮名)さんの言葉を最後に紹介したい。「美しき平壌」のカラクリを地方の住民がどう見ているかがわかる一言だ。

「2000万の庶民が血と汗を流すことで、なんとか平壌だけを外国人に見せられる程度に維持している。それが北朝鮮なのです」。

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