例えば前出の「金日成の革命活動」では、抗日活動中の同志として金策(キム・チェク)や呉仲洽(オ・ジュンフプ)、また金正恩氏の最側近の崔龍海(チェ・リョンヘ)の父親である崔賢(チェ・ヒョン)などが写真入りで紹介されているのだが、金日成に関しては写真もイラストも皆無だ。
教科書を見てもらった脱北者のキム・スンチョル氏はその理由について次のように言う。「子供たちが毀損、落書きするからですよ。私が学校に通った80年代でも、金日成の幼い時代の絵があったぐらいで、肖像写真は一切ありませんでした」。
生徒たちが、教科書に出て来る肖像にいたずら書きするのは、日本でも北朝鮮でも同じようである。
※アジアプレスは、韓国在住の脱北者が北朝鮮国内の知人を通して6月末に搬出した初等・高等中学の教科書約80冊の提供を受けた。
(敬称略)
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