◆山へ逃れるも食料なく
イラク北西部でのヤズディ教徒襲撃から2年。シンジャル一帯に侵攻した武装組織イスラム国(IS)はイスラムへの改宗を迫り、見せしめで住民を殺戮した。襲撃から逃れようと、住民たちは脱出をはかった。幹線道をふさがれ、逃げ場を失った者は近郊のシンジャル山へ逃げ込んだ。包囲され、食料や水を絶たれて、飢えや脱水症状で命を落とす者が相次いだ。アメリカは、機器にさらされたヤズディ教徒保護などを理由に限定空爆に踏み切り、イラク軍事介入のきっかともなった。2年前の8月、住民に何が起きたのか。(玉本英子)
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