◆計画的に拉致し、「奴隷」として分配

IS襲撃前の2011年、シンジャル取材時に撮影したヤズディの子どもたち。ISは幼い女児まで連行し、強制結婚を強いた上、仲間内で転売までしている。(イラク北西部シンジャル:2011年撮影・玉本英子)
IS襲撃前の2011年、シンジャル取材時に撮影したヤズディの子どもたち。ISは幼い女児も連行し、強制結婚を強いた上、仲間内で転売までしている。(イラク北西部シンジャル:2011年撮影・玉本英子)


武装組織イスラム国(IS)がイラク北西部のヤズディ教徒の町や村を襲撃したのは、2014年8月。男性には改宗を迫り、受け入れなかった者は処刑。一方、女性や子どもはバスで別の町に移送された。拉致された人びとの数は3000以上にのぼる。女性は「奴隷」としてIS戦闘員が分配、強制的に結婚させる形で、実質上のレイプが行なわれた。子どもの一部は施設に収容され、戦闘員としての養成訓練を受けた。2年たった今も多くが行方不明で被害の全容はわかっていない。命がけで脱出できた女性たちもトラウマに苦しむ。連続写真報告の第4回。(玉本英子)

【関連写真を見る】集団拉致され奴隷にされるヤズディ教徒女性たち(写真9枚)

2014年8月、シンジャル一帯を襲撃したISは住民を男女に分けた。男にはイスラムへの改宗を迫り、女や子どもはシリアなどに連行した。IS宣伝映像ではイスラムを受け入れたヤズディ男性が戦闘員の指示で「アッラーの他に神はなし」と唱える様子が映し出される。(IS映像)
2014年8月、シンジャル一帯を襲撃したISは住民を男女に分けた。男にはイスラムへの改宗を迫り、女や子どもはシリアなどに連行した。IS宣伝映像ではイスラムを受け入れたヤズディ男性が戦闘員の指示で「アッラーの他に神はなし」と唱える様子が映し出される。(IS映像)
IS戦闘員がヤズディ女性を買う話をしているとされる映像。携帯電話で撮影したものと思われ、「ヤズディ少女を買えるなら、何百ドルでも払うぜ」と話す。拉致女性が売買の対象とされ、とくに少女に高額な値段がつけられているのがわかる。
IS戦闘員がヤズディ女性を買う話をしているとされる映像。携帯電話で撮影したものと思われ、「ヤズディ少女を買えるなら、何百ドルでも払うぜ」と話す。拉致女性が売買の対象とされ、とくに少女に高額な値段がつけられているのがわかる。
拉致されたヤズディ少女(14)の救出に同行。戦闘員の家を抜け出し、協力者の助けを得てクルド自治区に脱出。保護したクルド治安当局の車に乗った少女は、着ていた黒いニカブを破り捨てた。(イラク・クルド自治区:2015年2月撮影・玉本英子)
拉致されたヤズディ少女(14)の救出に同行。戦闘員の家を抜け出し、協力者の助けを得てクルド自治区に脱出。保護したクルド治安当局の車に乗った少女は、ISの支配地域で着せられていた黒いニカブを破り捨てた。(イラク・クルド自治区:2015年2月撮影・玉本英子)

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