◆シンジャル一帯では今もISとの戦闘続く
武装組織イスラム国(IS)が、イラク北西部でのヤズディ教徒の町、シンジャルを制圧したのは2014年8月。ISが近郊の町や村を一斉に襲撃し、町に攻め込んだとき、地域を防衛するために展開していたクルド自治政府のペシュメルガ部隊は戦うことなく撤退。住民は無防備のまま置き去りにされた形となり、虐殺と女性拉致の悲劇につながった。
逃げ場を失って山で孤立した住民の一部を救出したのは、シリア国境を突破して攻め込んだクルディスタン労働者党(PKK)とシリアのクルド・人民防衛隊(YPG)の合同部隊だった。その後、合同部隊は激戦の末、シンジャルの一部をIS奪還。一方、米軍主導の有志連合の空爆支援を受けたペシュメルガ部隊もISを追撃、2015年11月、シンジャル市中心部を奪い返した。近郊地域には今もISが布陣し、クルド部隊とISの激戦は続いている。連続写真報告の第5回。(玉本英子)
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