◆「サテライトキャンパス」の復活 9割留学生の大学も
最近では、日本語が全くできなくても入学できる大学も増えている。また、政府が「留学生10万人計画」を進めていた2000年代初めに問題となった「サテライトキャンパス」も復活しつつある。
サテライトキャンパスとは、大学が本部とは別に利便性の高い場所につくるキャンパスを指す。「10万人計画」の頃には、日本人の学生が集まらない地方の短大などが次々と都会に設けた。「東京」を売りにして、出稼ぎ目的の中国人留学生を受け入れるためである。授業は形式に過ぎず、留学生もビザ取得のためだけに利用していた。同じことが現在。ターゲットを中国人からベトナム人に替えて起き始めている。
福岡県に本部を持つN大学が都心に設けたキャンパスなどは、明らかにこのケースに当たる。同キャンパスの学生は9割以上が留学生だ。少し前までは中国人が大半を占めたが、この2−3年はベトナム人が急増している。
「学費が他の私立大学よりずっと安く、都心にあってアルバイトも探しやすい、大学などに日本語ができなくても入学でき、専門学校よりも長い4年のビザが手に入る」
そんな評判がベトナム人留学生の間で広まり、人気になっているのだ。
次のページ:政府の「留学生30万人計画」が留学生酷使にお墨付き...