ミャンマー(ビルマ)地図。国内の上座仏教には大きく4つの流れがあり、うち一つのモン族の仏教が活動していた場所の中心はタトン(地図内、黄色い星)であった(ビルマ情報ネットワーク提供)
ミャンマー(ビルマ)地図。国内の上座仏教には大きく4つの流れがあり、うち一つのモン族の仏教が活動していた場所の中心はタトン(地図内、黄色い星)であった(ビルマ情報ネットワーク提供)

モン族が暮らす地域の州都は、サルウィン河(タンルウィン河)の河口に位置するモーラミャインです。しかし昔、モン族が活動した場所の中心は、タトンというところにありました。そのタトンはもともと「スワンナブーミ= 黄金の国」と呼ばれていました。

Q. スワンナプームといえば、隣国タイの国際空港の名前ではないですか?
A.
 そうです。タイも敬虔な上座仏教の王国ですし、国民から敬愛されている現在のプミポン国王が新空港の開港に当たってこの名前を付けたのは不思議ではありません。

日本語ではスワンナプームといいますが、英語では仏教徒の伝統地「Suvarnabhumi(スワルナブーミ)」=黄金の国です。

ミャンマーとタイは上座仏教が信奉されていた地域ですし、信仰の枠組みで見ると、今の国境線を考えずに捉えた方がいいのです。それにモン族がたくさん暮らすモン州は海に面しており、彼らはかつて海洋民族として交易に従事していた支配勢力のひとつでした。(つづく)

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宇田有三(うだ・ゆうぞう) フリーランス・フォトジャーナリスト
1963年神戸市生まれ。1992年中米の紛争地エルサルバドルの取材を皮切りに取材活動を開始。東南アジアや中米諸国を中心に、軍事政権下の人びとの暮らし・先住民族・ 世界の貧困などの取材を続ける。http://www.uzo.net
著書・写真集に 『観光コースでないミャンマー(ビルマ)』
『Peoples in the Winds of Change ビルマ 変化に生きる人びと』など。

 

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