Q. ミャンマーでムスリムが差別を受けている、迫害されている、といった場合、ロヒンギャ・ムスリムが差別されていると同義語ではないのですね。
A. 同じではありません。先ほど説明しましたように、ミャンマーおけるムスリムで一番人口の多いのは、インド/パキスタン系ムスリム、次にロヒンギャ・ムスリムだからです。
Q. それぞれのムスリムたちは、「ムスリム(人)」としてのアイデンティティと、「少数民族」としてのアイデンティティのどちらが強いのでしょうか?
A. 中国系のパンディー・ムスリムに話を聞いてみると、「今はミャンマー国内に住む、ミャンマー国籍の、中国系ムスリム(人)である」と答えてくれました。話をしてくれたのは、ミャンマー第2の都市マンダレーで、パンディー・ムスリムをとりまとめている人物でした。彼らのアイデンティティは、ムスリムという意識が強かったです。
ミャンマーのように軍政時代に長らく国を閉ざされていた地域で、それぞれのムスリムの状況を理解するためには、イスラームに対する理解だけでなく、ミャンマーに対する理解は必須です。
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