<特別連載>ミャンマーのロヒンギャ問題(1)へ

Q. 長期にミャンマー関わってきた経験から、ミャンマー国内でムスリムに対する差別的な言動はどのくらいあると感じますか?
A.
 上座仏教徒が人口の9割近くを占めるミャンマーだからといって、あからさまにムスリムたちが差別的な待遇を受けているという印象は受けませんでした。ただ、ムスリムが差別の対象になっているという空気は感じられました。例えば、ミャンマー族の仏教徒たちが「786」の店には入りたくない、というような場面には出くわしました。

この屋台には「786」が表示されていた。「786」とはイスラーム教徒を示す。コーランの各章冒頭に置かれる「慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において」(バスマラ)を意味するという(撮影:宇田有三)
この屋台には「786」が表示されていた。「786」とはイスラーム教徒を示す。コーランの各章冒頭に置かれる「慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において」(バスマラ)を意味するという(撮影:宇田有三)

 

Q. 「786」って何ですか?
A.
 「786」は、『クルアーン(コーラン)の各章冒頭に置かれる「慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において」(バスマラ)を意味するそうです。ところがこれを仏教徒の一部が「『7+8+6=21』、つまり21世紀はムスリムの時代になるのだから、我々仏教徒は注意しなければならない」という誤った解釈を広げています。それに加えて、一部の過激な仏教徒の側は「969」という数字を挙げて対抗し始めています。

Q. 仏教徒側は「969」なのですか?
A.
 「仏陀の9徳・仏法の6徳・僧侶の9徳」を意味する数字です。

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