その理由2 「お国のため」と称して学校から様々な供出ノルマが課せられる。例えばくず鉄、ウサギの毛皮、ドングリ集め、バッタ採り。くず鉄は再生したり、中国に輸出 したりする。ウサギの毛皮は軍人の防寒帽用とされ、飼育して供出するノルマがある。ドングリは味噌や酒を作る。ノルマが果たせない場合は、金銭を求められ るのが普通だ。
「『教育は無償』などというのは大昔の話。供出ノルマが多過ぎて、子供を学校に送らない方がましだと思うことが少なくないんです」
北朝鮮北部に住む、一児の母である取材協力者の言葉だ。

子供たちを動員して供出させた物資は、学校や行政の幹部たちが売り払って私腹を肥やすのが当たり前になっている。子供たちの「愛国奉仕労働」は、長年に渡って食い物にされてきたわけだ。
北朝鮮では、児童労働が制度的、組織的に搾取の対象になっている。(石丸次郎)

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