優待される国境警備隊でも食料難

国境警備隊は任務の重要性から物資供給が優先され、子供が軍に 入隊する際、親は賄賂やコネを使ってでも配置を願う「人気部隊」だ。また「副業地」と呼ばれる畑も持つ。そんな国境警備隊の食事が、これほど粗末ならば、 人民軍の一般部隊への食料供給は深刻な水準にあることが想像される。

さらに、国境警備隊には特別な「副収入」があった。住民が中国に渡河したり、密輸したりするのを見逃す対価に賄賂を受け取るのだ。かつては「国境警備隊を3年やると家が建つ」と言われるほどだった。

(参考写真)盗んで来たトウモロコシを焼くために川原で火を起こす兵士たち。腕が細い。2008年8月、撮影チャン・ジョンギル(アジアプレス)
(参考写真)盗んで来たトウモロコシを焼くために川原で火を起こす兵士たち。腕が細い。2008年8月、撮影チャン・ジョンギル(アジアプレス)

 

「優待」されてきた国境警備隊の食事事情の悪化の原因について、内部の取材協力者は次のように言う。

「国による食料供給が減らされている上、国境警備隊の不正行為に対する検閲が厳しくなり、密輸や渡河を黙認、幇助して得られる収入が断たれて、飢える者まで出るようになった」。
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