北朝鮮政府は、立て続けに行った核、ミサイル実験を「成功」として祝う集会や講演を連日開き、金正恩氏が指導した「業績」と宣伝し、愛国心の発揚に 結び付 けようとしている。一方で、先月末に北東部で発生した水害に対し、住民に復旧資金を出すよう求めている。9月中旬、北朝鮮北部の国境地域に住む住民に、最 新の国内の動向についてインタビューした。(カン・ジウォン/ペク・チャンリョン)
◆核実験でガラス割れ、壁にひび 金正恩氏の「業績」宣伝は冷淡
記者:9日の核実験の時には揺れを感じましたか?
住民:私たちの家から1キロほど離れた所にあるアパートでは、複数の棟にひびが入り、窓ガラスが割れた家もありました。列車が通過する時のような揺れが あったそうです。市場でも揺れたという人、感じなかったという人がいました。私の家は平屋だからか、揺れは感じませんでした。
記者:今回の核実験や潜水艦発射ミサイルについては、どのように宣伝していますか?
住民:(金 正恩氏の)偉大な指導だと宣伝していますね。将軍様(金正恩氏)が武器を開発したんだという内容の講演会も度々やっています。核実験について は、「我われが核を持っている限り、敵は襲って来ることはない」と宣伝しています。まあ、核があろうがなかろうが、私たちには何の関係もないんですが…。
※朝鮮中央通信は8月25日付けで「金正恩元帥が、監視所で水中発射計画を調べ、試射を断行することに関する命令を下達するや否や、潜水艦は海中の弾道ミサイル発射深度まで沈下し、迅速に弾道ミサイルを発射した」と伝えている。
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