◆幹部や保安要員も身内が脱北
今回の保衛部による行方不明者の再調査は、民心に悪影響を与えるだろうと見る脱北者もいる。北部国境地域に暮らし、2011年に脱北して韓国に定着した男性は、次のように述べた。
「国 境地域では、過去に大勢の住民が脱北している。幹部や保安機関員にも身内に脱北した者がいるケースが少なくない。行方不明者の調査を徹底して、家族、 親戚まで追放・処罰すれば、ただでは済まない幹部もたくさんいるはずだ。それで行方不明者の調査をあいまいにしてきた部分があった。すべての行方不明事案 を厳密に調査するようなことになれば、住民が動揺し、民心も悪化して国境都市はどこも混乱するだろう」。
この度の行方不明者の再調査は、韓国や日本などに逃れた人たちが家族を呼び寄せる「脱北の連鎖」を防止することと、北朝鮮国内と韓国・日本などを結ぶカネ と通信のラインを遮断しようというのが当局の目的だと思われる。また、身内が脱北すれば家族に累が及ぶという恐怖を植え付けることも目的だろう。
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