機動隊員を大量動員した7月22日の強制撤去 (写真は目取真俊さん撮影映像より)
機動隊員を大量動員した7月22日の強制撤去(写真は目取真俊さん撮影映像より)

 

◆大阪府警が一番評判悪い
はっきりいって、一番評判が悪いのが大阪府警です。例えば県道で車を停めて抗議行動をしているとき、ほかの県警は窓をコンコン叩いて「開けてください」と言います。それをガラスが割れんばかりにバンバン叩いて「開けろ、バカ野郎」。人に対する扱いも暴力的です。沖縄に対する差別は、全国の中でも関西から始まっていると感じましたね。橋下徹知事になったころから、この地域が、全国に先駆けて反動化をやっているというあらわれだと思います。

私の祖父母は出稼ぎ先の大阪で結婚し、昭和5(1930)年、父が生まれました。沖縄に対する差別がひどく、「朝鮮人、琉球人お断り」と店の前に張り紙がある時代です。祖父は当時、無産党の活動家で、活動をしながら琉球人差別撤廃の運動をしていました。
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昭和初期、労働運動が弾圧されていく時代に大阪の地で生活し、その後、沖縄に戻っていきますが、いまの日本の政治状況の中、あの時代というものが、もう一回起こりつつあるのではないかという気がしています。ひと昔前なら口に出せないような言葉が平然とネットや街宣車で発せられるようになっています。沖縄で大阪府警が暴力的に沖縄県民を弾圧しているというのも、一つの時代のあらわれだと思います。

沖縄にヘリパッドを押し付ける、辺野古に新基地を押し付ける。それを当たり前と感じて恥じることもない。こういった日本人がますます増えていくでしょう。(つづく)

目取真俊(めどるま・しゅん)
1960年沖縄県今帰仁村生まれ。1997年「水滴」で第117回芥川賞受賞。沖縄戦や米軍基地問題などをテーマに数多くの作品を発表。
ブログ「海鳴りの島から」http://blog.goo.ne.jp/awamori777で高江や辺野古の抗議活動について発信している。

※この連載記事は10月14日に大阪市内で行われた目取真さんの講演(「関西・沖縄戦を考える会」主催)の要旨です。(整理/文責 新聞うずみ火栗原佳子)

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