
「どうやって食べてますか?」
北朝鮮に住む人たちに尋ねると、九割は「商売ですよ」と答える。
90年代半ばに配給制度が破綻して以降、勤め先から支給される国定の給料ではまったく生活が成り立たなくなり、大量の餓死者が発生した。全国の女性たちは街に出た。闇市場で、路地で、街頭で商売を始めたのだ。
当時、商行為は御法度。売り物を当局に没収され、罰金を取られても、女性たちは商売を止めなかった。家族を食べさせるためだ。
2003年春、配給制度の復活をあきらめた金正日政権は、遂に商行為を合法化した。すると自然発生していた市場経済は瞬く間に大成長、大拡散し、多くの民衆は飢えから解放されることになった。

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