金正恩政権は、なぜ人民が普通に暮らす日常の姿を、徹底して外国人の目から隠そうとするのだろうか? 何を恐れ、何を「恥ずかしいもの」と考えているのだろうか?
1990年代後半、飢饉の大波が北朝鮮全土を覆い、大量の餓死者が発生した。食糧配給制度の破綻によって暮らしはどん底に突き落とされたが、処罰の対象だった商行為を、人々は当局の意に背いて拡大させ暮らしを回復させた。民衆の生き抜く意志と努力の結果であった。
25年近く北朝鮮を取材してきた私は、そんな庶民の日常こそ世界の人に知ってもらいたいと思う。特に、社会混乱克服の中心にいた女性たちの姿を見てほしい。
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