◆武装組織の標的となったイラク軍

イラク第2の都市モスル。近郊を含めると、かつて200万におよぶ人口を抱えた大都市だった。フセイン政権崩壊後、モスルでは武装勢力による攻撃が絶えず、駐留米軍はイラク軍を訓練。治安は一時、回復の兆しも見えた。ところが、宗派抗争、マリキ政権の政策、地元部族の反目、シリア内戦など、さまざまな要素が重なりあって、のちに武装組織イスラム国(IS)が台頭する。ISが統治する以前のモスル現地取材と、その後のIS統治下の宣伝写真などを交えた解説の第2回目。(玉本英子)

【写真特集・モスル】イラク軍掃討作戦からIS台頭までを振り返る(1) (写真9枚)

2010年、イラク軍に同行してモスル市内を取材する筆者。防弾チョッキとヘルメットを着用する。武装組織が潜む地区に入ると兵士たちが周囲に展開し、安全確保に努めてくれた。(2010年・モスル)
2010年、イラク軍に同行してモスル市内を取材する筆者。防弾チョッキとヘルメットを着用する。武装組織が潜む地区に入ると兵士たちが周囲に展開し、安全確保に努めてくれた。(2010年・モスル)
当時は米軍が駐留し、イラク軍をサポートしていた。左は米軍大佐。右のイラク軍少将は階級からすると若いが、アブグレイブの武装勢力掃討作戦を成功させ、部隊司令に抜擢。筆者は事前準備を重ね、現地取材が認められた。(2010年・モスル:撮影・玉本英子)
当時は米軍が駐留し、イラク軍をサポートしていた。左は米軍大佐。右のイラク軍少将は階級からすると若いが、アブグレイブの武装勢力掃討作戦を成功させ、部隊司令に抜擢。筆者は事前準備を重ね、現地取材が認められた。(2010年・モスル:撮影・玉本英子)
イラク軍車両に乗り込む。米国製ハンヴィーは防弾防爆装甲強化タイプだが、それでも武装組織の路肩爆弾で吹き飛ばされる被害があいついでいた。左は機銃兵の足。ルーフ部分で機銃を構え警戒する。(2010年・モスル:撮影・玉本英子)
イラク軍車両に乗り込む。米国製ハンヴィーは防弾防爆装甲強化タイプだが、それでも武装組織の路肩爆弾で吹き飛ばされる被害があいついでいた。左は機銃兵の足。ルーフ部分で機銃を構え警戒する。(2010年・モスル:撮影・玉本英子)

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