北朝鮮の正規軍兵力は100万人超と言われる。北朝鮮国営メディアは、革命を守る勇猛果敢な愛国戦士たちだと、しきりに宣伝する。
確かに精鋭部隊、特殊部隊もあるのだが、北朝鮮内部のパートナーたちが撮影した映像に見える兵士たちの姿からは、とても士気と戦意高き集団には見えない。
映像には、若い兵士たちが、だらだらと畑仕事や、シャベルにつるはしを担いで建設作業をしている姿が頻繁に出てくる。
制服の上着をはだけて市場を徘徊し、露店で酒をあおっている姿もある。そして、多くが痩せている。
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1990年半ばから、北朝鮮の人々は軍隊を「土匪」「強盗団」などと呼ぶようになった。給食が足りず、民間人にたかったり襲ったりという事件が頻発したからだ。
士気の低下も伝わってくる。政権は、ずっと南朝鮮(韓国)を解放すると言ってきたが、韓国が豊かで自由な社会であることは、今や子供も知る常識になっている。
現在、北朝鮮の男子は原則11年の兵役に就かねばならない。何のための軍隊なのか、何のための辛い兵営生活なのか? 社会全体でこのような疑念が徐々に膨らんでいる。(石丸次郎)
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