避難民のためにユニクロが衣料品を提供し、NGO団体IVYが配布した。厳しい冬のなか避難民のあいだでは、日本からの支援に感謝の声が聞かれた。(イラク北部・ディバガ避難民キャンプで2月中旬玉本英子撮影)

IS支配地域だったセラハディン郊外の村から逃れてきたばかりの避難民女性、テルファさん(30)はISとイラク軍との戦闘で家が破壊されたという。「何もかも失い、絶望していました。凍えるような寒さのなか、日本の質のいい冬物衣料を受け取り、心まで温かくなった」と笑顔いっぱいだった。

キャンプの代表者によると、避難民は生活費に困窮し、手に入れた支援物資を転売して現金に替えるケースがあいついできたという。だが、今回、日本から衣料支援物資ではそのようなことを起きていない、と話した。

IVYアルビル代表の武田めぐみさんは「人道支援の現場では、食料やテントなどが優先されるが、衣料も必要な支援物資。今回、良質の冬服は避難民に喜ばれた。ご協力いただいた日本の方々に感謝したい」と語る。
IVYは今後も避難民に、灯油など生活支援物資の配布を続ける予定だ。【玉本英子】

イラク北部ディバガ避難民キャンプにはISの支配地域から逃れてきたイスラム教スンニ派の人たちが暮らす。多くが着のみ着のままで、徒歩で逃げてきた(2月中旬玉本英子撮影)


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