◆守秘義務違反で告発も不起訴に
「つながるとやっかい」と名指しされた近藤ゆり子さんはダム反対運動などに長くかかわってきたが、この時点では、計画のことをほとんど知らなかったという。「連携」を警戒されたもう一人も反原発の運動などに参加していたが、計画とは関係がなかった。
近藤さんら4人は容疑者不詳のまま地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで岐阜地検に告発を行った。しかし15年12月、不起訴になった。同年6月、参院内閣委員会で事件について問われた当時の警察庁警備局長は、「通常行っている警察業務の一環」と答弁している。
昨年12月、近藤さんら4人はプライバシー権などを侵害され精神的苦痛を受けたとして、県を相手取り国家賠償請求訴訟を起こした。「もの言う自由」を取り戻すという位置づけの裁判だ。岐阜地裁で3月8日に開かれた第1回口頭弁論で県は請求棄却を求め、争う姿勢を示している。
「共謀罪」法案について安倍首相は「一般人が対象になることはありえない」と主張している。しかし、近藤さんは実体験から警告する。
「もし法案が成立すれば警察の暴走に拍車がかかります。『もの言う』ことが怖くなる、そんな世の中の先に何があるのかは歴史が示しています」
(終わり)
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