貧しくとも衣食住が保証された「北朝鮮式社会主義」は、現在の北朝鮮にはもう存在しない。ほとんどの国民は、自己責任で現金を得るために商売をして暮らしている。早朝から深夜まで働き詰めの人は珍しくない。
政権が求める様々義務や労役も、国民には大変な負担だ。まず若者には、原則男子11年、女子7年に及ぶ人民軍の服務がある。
関連写真:痩せてぐったりの兵士 庶民に食物ねだる将校 こんな軍隊で戦える? (写真4枚)
無報酬の奉仕労働動も、民衆の時間とエネルギーを奪う。道路補修や河川改修や清掃、くず鉄集めなどの労役は日常のことで、春と夏には全国民が農村に送られ、草取りや田植え、堆肥づくり、稲刈りなどに従事させられる。
「毎日毎日、しんどいことばかりですよ」
北朝鮮に暮らす取材協力者が頻繁にこぼす言葉だ。
困憊する民衆の日々の瞬間を、秘密裏に撮影された映像から切り取って報告する。(石丸次郎)
関連記事:<北朝鮮写真報告>映像に記録された少女たちの受難(5) 生き抜くために昼夜うごめく
【合わせて読みたい記事】
◆ 金正恩政権は覚醒剤撲滅に成功するか 3月から大々的取締り開始 (1) あまりに深刻な薬物汚染
◆ <写真報告>朝鮮人民軍兵士たちの素顔(1) 女性兵士やセーラー服姿の水兵も
◆ <北朝鮮>ドローンに怯える金正恩政権が撃墜訓練始める 暗殺、空撮、情報散布を警戒
おすすめ<北朝鮮> 写真特集・無料動画…