◆悲しみに包まれた町で抗議の声
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4月4日朝、シリア北西部イドリブ県ハーンシェイフンでの空爆では、100名以上が死傷した。化学兵器が再び使用され、多数の民間人が死傷したとして、アメリカは6日、シリア政府軍の空軍基地に対し、巡航ミサイルを発射した。化学ガス攻撃で多数の被害が出たハーンシェイフンの住民は、アメリカによるアサド政権に対する軍事行動をどう感じているのか。現地でいまも取材を続けるシリア人記者オマル・ナジャッド・ハジ・カドル氏(30)との緊急電話インタビュー(7日夜・日本時間)の2回目。(玉本英子)
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◆化学兵器攻撃から3日がたちました。町の状況や市民生活は?
オマル記者: 私はいま、ハーンシェイフンから電話をしています。多くの被害者を出した町は、深い悲しみに包まれています。地区のあちこちの家で葬儀が行なわれています。先ほど、犠牲者の家族らが、今回の化学兵器攻撃を非難するデモを街頭で行っていました。手書きのプラカードには、これまでの化学兵器使用に沈黙した国際社会に、これ以上、犠牲者をださないでほしいと、訴えかけるメッセージもありました。ここでは水、電気、食料が極度に不足しています。空爆があったため、たくさんの住人が、家を捨て、別の場所への移住を余儀なくされました。
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