金正恩政権がミサイル発射実験を繰り返している。それをどう受け取っているのか、北朝鮮国内の知人や取材協力者に、しばしば感想や意見を訊くのだが、答えはいたって冷淡、無関心である。
「今や核大国になったと政府は誇らしげに宣伝していているけれど、暮らしが良くなるわけでもなく勝手にすればいいという感じ。核兵器やミサイルが周りで話題になることもない」(北部両江道の40代の女性)
「ミサイル発射のニュースをテレビで見ろと上から言われるが、停電続きで見ることもできない」(平壌市の30代の女性)
「暮らしがきついのに核やミサイルに大金使うことには、正直が腹が立つ。その金で人民にコメを配ればどれだけいいことか」(北部咸鏡北道の30代の女性)
金正恩時代になったこの5年間、女性たちから国と人民を守るために核兵器やミサイルが必要だという意見を聞いたことがない。庶民の女性たちの大半は毎日商売に出ているが、それは家族を守るため。毎日が闘いなのである。(石丸次郎)
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