鴨緑江辺で沐浴、洗濯する若い兵士たち。あばらが浮いている兵士も。2017年7月平安北道朔州郡を中国側から石丸次郎撮影

 

「兵士たち、皆痩せてるなあ。小さいなあ」

7月末、朝中国境の川・鴨緑江下流で遊覧船に乗った。対岸の北朝鮮の兵士たちの姿を見た観光客から、こんな感想の声が上がった。

兵士たちは川辺に出て洗濯や沐浴をしている。皆半裸だ。胸が薄くあばらが浮いている。河原に座り込んで力なくうつむいたままの兵士もいる。

私が訪れたのは鴨緑江の水豊ダムの下流域で、北朝鮮側は平安北道の朔州(サクジュ)郡の青水(チョンス)里付近。中国の遊覧船が北朝鮮領に入り込んでかなり接近することができる。
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人民軍兵士たちの「痩せぶり」は、実は北朝鮮の国営メディアの宣伝写真にも現れている。体格のいい将兵ばかりを集めているはずだが、よく見ると頬がこけた者が多い。

「今年は兵士たちの痩せようが酷い」「栄養失調になって自宅に戻されたり、逃げ帰ってくる兵士が多い」

春先より北朝鮮に住む取材協力者たちから、こんな情報が頻繁に届く。

ミサイル発射を繰り返し国際社会で物議を醸す一方で、金正恩政権は今年も人民軍兵士をまともに食べさせることができずにいる。(石丸次郎)

7月4日の大陸間弾道ミサイル発射を祝う 集会に動員された将兵。よく見ると痩せて頬がこけ、あごが尖った者が多い。労働新聞より引用。

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