<後藤健二さんらは、ラッカにいたのか - 住民は日本をどう見ているのか>
◆日本人人質事件についてですが、残念ながら2人を殺害したとする映像が公開されました。人の日本人の人質は一時ラッカにいたのではないかとも言われています。何かそうしたことを見聞きしましたか?
アルラッカウィ氏:いいえ。私は何も耳にしませんでした。拘束された彼らの写真などを見ただ けです。知ろうと努めましたが、日本人については残念ながら分かりませんでした。ISはそうした情報が一切漏れないようにしているので、このようなことを 知るのは難しいのです。私は市内にいるただの活動家で、ISのリーダーや戦闘員と関わりがないので、人質がどこにいるかということを知ることなどできませ んでした。
◆IS声明は「日本人は敵」とされました。こうした考えが市民の間に広まっていますか?住民は日本についてどう思っているのでしょ うか?ネット映像でRMC(ラッカ・メディアセンター)というグループが、人びとに街頭インタビューを行っていて、「日本はヒロシマ・ナガサキを忘れたの か」という声があったのを見たのですが。
アルラッカウィ氏:いいえ。日本人に関してそうした噂などはないと思います。RMCはIS関係組織です。ビデオに出てくる人たちはIS戦闘員もしくは支持者で、普通の市民ではありません。「ラッカ市民は日本人を敵とみなす」などと世界に思わせる ためのものです。ラッカの住民の9割はISを憎んでいて、あとの1割は、お金や権力を得られるという理由で支持しています。普通の市民は、殺人行為など誰 も望んでいないのです。そして市民は日本のことなど関心がありません。皆、どうやって今日食べていくか、関心はそれだけなのです。いつ殺されるのか分から ない。自分たちの命を守ることで頭はいっぱいなのです。(つづく)