私もこの2年、仕事ができず、論文も書けなかった。モスル大学には教師、職員も含め、1万人が働いていましたが、今にいたって給料はおりていません。私も、まだ一銭も、もらっていません。
それでも私は大学再開のために、モスルへ戻るつもりです。大学の同僚にキリスト教徒がいます。以前は「解放されたら、自分の故郷だから家に帰る」と話していましたが、ISが去った後、「やはり家に戻るのは怖い」と言います。近隣に暮らしていた住民が、ISに対し、キリスト教徒の家がどこにあるのか情報を流していたのです。同僚は、ISに家や財産などすべて奪われました。彼は近隣住民をもう信じることはできないと言います。
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