神奈川県横浜市の久保山墓地で行われた「関東大震災時朝鮮人虐殺94年神奈川追悼会」。海を見晴らす慰霊碑の前で、目撃者が書いた証言を朗読する参加者(新聞うずみ火 2017年9月2日)

多くの朝鮮人が混乱の中で虐殺された、1923年9月1日の関東大震災。それから94年目となる今年、小池百合子都知事が慣例の追悼メッセージの送付を拒否したことを受け、各地で行われた市民主催の追悼式典では、参列者から激しい非難の声が上がった。(新聞うずみ火 矢野宏/栗原佳子)

横浜に私費の慰霊碑

9月2日午前、横浜市西区の久保山墓地で「関東大震災時朝鮮人虐殺94年神奈川追悼会」が開かれた。冷たい小雨が降り注ぐ中、参加した155人が「関東大震災 殉難朝鮮人慰霊之碑」に献花し、犠牲者を悼んだ。

慰霊之碑の背面には『1974年 少年の日に目撃した一市民建之』の文字がある。建立した石橋大司さんは震災当時小学2年生。電信柱に荒縄で縛られた朝鮮人の遺体が忘れられず、市に朝鮮人慰霊碑の建立を求めたが聞き入れられず、私費を投じ建てた。

主催団体「関東大震災時朝鮮人虐殺の真実を知り追悼する神奈川実行委員会」の代表で、元小学校教諭の山本すみ子さん(78)はあいさつで「隠ぺいされた虐殺を、研究者や市民運動家が研究を重ね、事実を少しずつ明らかにしてきた。にもかかわらず再び隠ぺいしようとしている」と小池知事を批判した。
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