1月20日に始まったトルコ軍機によるアフリンへの空爆。(地元メディア撮影)

 

20日、シリア時間午後4時、トルコ軍機がシリア北西部アレッポ県アフリンと周辺の村落地帯への空爆を開始した。多数の負傷者が出ている模様だ。地元の市民らと直接電話で話した。(玉本英子・アジアプレス)

アフリン北部に暮らす女子大学生、ジャノ・オマールさん(25)は、数日前からトルコ側から周辺の村落地帯に砲撃が加えられており、緊張が高まっていたと言う。「住民は空爆や砲撃にそなえ、家の地下室に食料を蓄えたり、庭に防空壕を掘るなどしていた」と話す。
「これまでもトルコ軍からの攻撃はあったが、どの国も私たちを助けようとはしなかった。今回も同じことになるだろう。各国の政治の思惑が絡み合い、住民とは別のところで動いている。その過程でたくさんの子どもも含む民間人が犠牲になっている状況が悲しい」と語った。

アフリンに展開するクルド・人民防衛隊(YPG)司令部のカジン・イスメット戦闘員によると、これまでのところ空爆による死者は市民を含む7人。負傷者は12人にのぼる。アフリンにはロシア軍の兵舎があるが小規模でYPGとトルコ軍との戦闘に関与はしていないという。「トルコ軍はYPGを孤立させることを目的とし、シリア情勢への介入を画策してきた。今回の空爆もその延長上にある」とし、「空爆で住民を脅し、クルド勢力をテロリストとして世界にアピールする狙いがある」と述べた。

写真:シリア北西部アフリンでのトルコ軍機の空爆では、民間人にも犠牲者が出ている。(1月20日・地元メディア撮影)

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