一方で担当者は「(作業の)途中経過が書かれているコメントがあるんですけど、今回の業務でいいますと、大気中にどれだけのアスベストがあったという報告書を求めている。コメントを書かれているものは、この報告書に添付していただく必要はない」とも話し、削除部分は市にとって「必要ない」ものだったとの見解を示した。
◆再除去後の取り残しは「触ってない」
古川さんは「必要のないものとおっしゃいますけど、(現場の周辺に)アモサイト(茶石綿)が転がっているとか重大だし、煙突内部に(アスベストが)残っているというのも重大。必要ないなんてことはない」と反論した。
市側は「この報告として重大ではない」と言い切った。
しかし、市側が「重大ではない」と切り捨てる報告書の削除部分では煙突内にアスベストの取り残しがあるままに工事が終わったことが指摘されている。
つまり、市発注のアスベスト除去工事が不適正だったと記載されているのだ。
実際にアスベストの取り残しは存在するのか。市建築監理課は「(煙突内のアスベスト除去は)機械でいったんはするんです。(現場の測定をして報告書を作成した)分析業者から指摘がありましたので、もう一度中に入って除去した。そのままで終わっているわけじゃない」と否定した。
果たして建築監理課の説明は正しいのか。
次のページ:削除された報告書では…