◆電気がなくて五輪わからない
平昌冬季五輪が開幕した。北朝鮮からは芸術公演のための楽団や、大規模応援団が韓国入りし耳目を集めている。北朝鮮国内ではどのように報じられ、また一般国民は、どう受け取っているのだろうか?
開幕式に合わせて、金正恩氏の実妹で、労働党中央委員会第1副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏が韓国入りした2月9日などに、北朝鮮内部に住む複数の取材協力者に聞いた。
「南朝鮮の平昌で冬季五輪をやるということは時々話されているけれど、具体的には何にも知りません」
北部地域に住む20代の女性はこのように言う。以下は彼女との一問一答だ。
――韓国に入った北の芸術団が8日に音楽公演したのは北でもテレビ放送したのではないか?
「今、電気が全然来ていないんですよ。だからテレビも見られなくて、皆よく知りません」
※凍結によって水力発電が止まるため冬季は電力難がより深刻になる。
――五輪後に障害者の競技大会のパラリンオリンピックも開催されるが。
「そんなことは初めて聞きました。障害者の体育競技なんて、こちらでは誰も知りませんよ」
障害者スポーツについて北朝鮮社会の認識はきわめて低い。両江道に住む別の取材協力者はパラリンピックについて、
「障害者がどうやって競技をするのですか? 周囲に聞いても障害者スポーツなんて、知っている人はいないと思いますよ」
と述べた。
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