アフリン中心部。市内では戦闘機の音が聞こえると人びとは建物になかに逃げ込み、郊外では住民が防空壕を掘るなどしているという。(2月1日・スワール氏撮影)


◆「国際社会に裏切られた」

1月20日に始まったトルコ軍機によるシリア・アフリンへの空爆。トルコの支援を受けたシリア武装組織による、クルド・人民防衛隊(YPG)への攻撃は続き、地元住民にも死傷者があいついでいる。アフリン市内の商店で働く男性スワールさん(28)に電話で話を聞いた。(玉本英子・アジアプレス)

スワール氏:アフリン各地が爆撃や砲撃にさらされています。市内でも爆発音が聞こえてきます。家に閉じこもり、祈るしかありません。夜も眠れないほどです。

昼間、通りを歩く人の姿はありますが、戦闘機の音が聞こえると、一斉に建物に隠れます。店の多くが閉まっています。私たちの店も閉めました。野菜など食糧は今のところあります。私の地区では電気は夕方から夜にかけて一日に約6時間だけ供給されます。

すべての学校は閉校しています。子どもたちは家に閉じこもるしかありません。

地上では、トルコの武器を使って自由シリア軍やイスラム武装組織などが攻撃しています。侵攻にそなえ、町の周りなどで土が盛られ塹壕や阻止壁が作られています。
自由シリア軍について、以前は好意的な市民もいましたが、状況は変わってしまいました。ただ、聞いた話では今、自由シリア軍のなかに「なぜ同じシリア人を攻撃するのか」とアフリン侵攻に反対する者もいて、一部の部隊で反発や対立も出ているということです。

イスラム武装組織については、町に攻めてきたら住民は虐殺されるだろうと恐れています。
諸派からなる組織ですが、これらを「ヌスラ、アルカイダ」と呼ぶ住民もいます。

侵攻されるかもしれない切迫感が広がるなか、私たちは町を出ることができません。アフリンから外につながる幹線道で住民がおもに使ってきた道は3つあります。2つは自由シリア軍地域に伸びる地域で現在は遮断。もう一つはシリア政府側、大都市アレッポをつなぐ道路です。ここから物資が入っていますが、現在アレッポへ人が移動することは非常に難しく、お金持ちが検問などで大金を渡して逃げたという話を聞くぐらいです。
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