シリア北西部アフリンではトルコ軍・自由シリア軍系など武装諸派とクルド・人民防衛隊(YPG)との激しい戦闘が続く。写真は砲弾で負傷した子ども(1月28日アフリンの病院で・地元記者撮影)

◆「離合集散繰り返した自由シリア軍 もう変わってしまった」

シリア北西部アフリンではトルコ軍・自由シリア軍など武装諸派が軍事作戦を展開し、クルド・人民防衛隊(YPG)との激しい攻防戦が続く。トルコ国境線地帯の多くの村々が制圧され、クルド側が苦戦を強いられるなか、アフリンにアサド政権派民兵が入った。
かつてはクルド運動を弾圧したアサド政権と、部分的に「協力」する状況を、地元クルド住民はどう見ているのか。ネット回線でアフリンの服飾仕立屋で働く24歳のクルド人男性に話を聞いた。(玉本英子・アジアプレス)
写真:シリア・アフリン市内では戦死したクルド戦闘員らの葬儀が行なわれた

グワン・シェルコ、24歳です。服飾仕立ての仕事をしています。今の状況を考えると、アフリンに到着したアサド派民兵を受け入れるのは仕方ないことでしょう。クルド戦闘員や住民たちを助けてくれると思うからです。

ここアレッポ北部地域一帯で「自由シリア軍」と言われてきた人たちは離合集散を繰り返し、3年前ぐらいから一部がヌスラ戦線などの過激組織に加わったりして戦闘員の思考が変わってしまったように見えます。

そして今、その過激なイスラム武装組織がシリアを戒律の厳しいイスラムの国にしようとしているようです。この地域にはシーア派やキリスト教徒、少数のヤスディ教徒など様々な宗教、宗派を信じている人たちが暮らしてきました。彼らを力で押さえつけることは良くありません。アサド大統領は多くの間違いを犯してきました。私は彼を支持しませんが、ほかに方法はないと思います。
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