◆国境沿いの村々から避難民がアフリン市内へ
トルコ国境沿いの村のほとんどがすでに武装諸派の手に堕ちました。村々から大勢の住民がアフリンに着の身着のままで逃れてきています。通りや公園で座り込んでいるのをよく見かけます。家のない彼らは学校や、建設途中の建物に身を寄せています。クルド赤新月社や、クルド組織、そして市民が集めた寄付で食料などを支援しています。
ここでは物資が入りにくくなり、食料、日常品などの値段が上がってきています。私の父はドイツにいるので、これまで父の送金でなんとか生きてこられましたが、これから難しくなると思います。
その場合、給料がもらえる地元のクルド組織の戦闘員になるしかないです。もしアフリンにイスラム武装組織の戦闘員が侵攻すれば、私のような若い男性は容赦なく殺されてしまうことでしょう。
例えば私が運よく安全なアレッポ市に逃れられたとしましょう。でも私のような若者は、今度はシリア政府軍に動員され、兵士として別の場所でクルド人組織と対峙させられるかもしれない。私には幼い息子がいるので、子どもを養うためにも生きなくてはなりません。でも逃げ場はないのです。
東ゴータの住民が殺されている現状はとても悲しい。ただ、東ゴータやイドリブにいる武装組織がもし力をつけるようなことがあれば、今度は彼らが私たちを殺しに来るかもしれない。本当に苦しいです。(続きを読む>>>)
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