◆一度は認めたようにも?
さらに市は、分析機関が4月15日以降も測定に訪れていたことに触れ、「いままでなら昨日みたよという関係性だったんですけど、7日間入られたが(15日にも取り残しを見つけたことを)聞いてなかった。報告書が出てきて初めて知った」「(知っていたなら)いっていただきたかった」と主張した。
その結果、報告書案が元請け業者から提出された5月18日ごろになって初めて市は再作業後の取り残しの指摘に気づいたと釈明した。
古川さんが「さっき4月15日現在取り残しはないとおっしゃいました。こないだはあるっておっしゃいましたよね」と尋ねると、市建築課は「いや、ない。あるとはいってない」と否定した。
市の見解を整理するとこうだ。煙突内のアスベストの取り残しについては4月12日段階では「確認できなかった」が、念のためにもう一度清掃した。同15日の指摘については、知ったのがすでに煙突の工事を終えた後だったため対応しないままになっているが、12日の作業できちんと取り終えているため安全というわけだ。
まずアスベストの取り残しについての市の認識だが、2月23日配信の記事で2月15日交渉のようすを次のように書いた。
〈だが、建築課の担当者に改めて聞くと「4月12日に一度(再除去に)入っております。で、この写真のあとには入っておりません」「それ以降は触っていない」と取り残しの存在を認めた〉
しかし、2月26~27日の市の説明によれば、「取り残しは認めてない」とのこと。よって、〈取り残しの存在を認めた〉との記述については、市は現在そうではないと主張しているので訂正する。
ただし、当日の録音データを聞き直してみたところ、2月15日交渉で市側はこう説明している。
「一度機械で取り残したのは、機械で水圧でいったん切削するんです。その後取り残しと分析機関からありましたんで、その次の日に除去業者の人が現場に入ってですね、取っております。その後市も確認したうえで、おこなっておりますんで、そのまま残って(載って)おるままで終わっていることはないんです」
その後で先の「4月12日に一度(再除去に)入っております。で、この写真のあとには入っておりません」「それ以降は触っていない」と発言しており、この文脈からはアスベストの取り残しがあったから除去したと聞こえる。
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