煙突内のアスベスト除去は超高圧水で煙突内側のアスベスト含有断熱材を削り取る「ウォータージェット工法」が広く採用されている。

煙突の上から超高圧水を噴射する除去装置をつり下げ、超高圧水の噴射を開始。ノズルは煙突の縦方向と垂直に複数取り付けられており、各ノズルから超高圧水を噴射して煙突内のアスベスト含有断熱材を削り取る。

ノズルは水圧で横回転するので360度まんべんなく除去できる。これをゆっくり引き上げることで、煙突内のアスベスト含有断熱材をきれいに除去できる、というものだ。除去業者は言う。

「これだけ螺旋状に線が付いていて線の幅が広いので、引き上げるのが早すぎたんでしょう。(煙突の)内径60センチメートルだとけっこう大物なんで、ゆっくり上げるようしないと。こういう場合は1回さーっと上げてある程度かき落として、2回目、3回目と持っていくんですね。これだと1回しかかけてないと思う。2回かければ、こんなに残るわけないですよ」

この写真はもともと分析機関が取り残しの存在を指摘していたものだ。奇しくも煙突専門の除去業者も同意見だったことになる。ちなみに煙突上部は2017年4月12日の再作業後も〈4/12に手の届く範囲を再度除去したと聞いたが、落としきれていないようだ〉とも指摘されている。

煙突専門の除去業者が「完全に残ってますね」と断言した報告書の写真(事業者提供資料より)

また、報告書19ページ下段の写真についても「完全に残ってますね」と言い切った。

「薬液で白くなった除去残し、と書いてありますけど、その通りです。絶対残ってますね。どうしてこういうことやるんだろう……」

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