◆食料が途絶えつつあるなか過酷な生活
ダマスカスの反体制派エリア・東ゴータではシリア政府軍などによる激しい攻撃が続く。2月下旬には国連安保理がシリアに停戦を求める決議を採択。だが現在も砲撃は止まず、死傷者があいついでいる。現地で取材活動を続ける地元フォトジャーナリストのアブドゥル・アルバセッド氏(28)の居住するサクバ地区も厳しい状況に置かれている。シェルターでの避難生活について、妻バヤン・アル・アハマドさん(20)と3月3日、ネット回線を通じて話を聞くことができた。(玉本英子・アジアプレス)
バヤン・アル・アハマド(20):私たちは地下シェルターに滞在して2か月以上になります。女性たちは、一日のほとんどをシェルターで過ごします。料理をつくったり、子どもの面倒をみたりする以外、何もすることがありません。ずっと座っているだけなのです。ドーンとかヒューンとか、ずっと砲弾の音が聞こえます。もし少しでも音が止んだら、上にあがって手洗いや、洗い物に行きます。ほんの一瞬でも外に出て、新鮮な空気を吸うようにしています。
東ゴータでは食料が途絶えつつあり、住民は苦しんでいます。毎日、夫は朝から外に出て子どものミルクや食べ物を探しています。
一日に1回か2回、少しの油でいためて炊いた米に、塩をふりかけて食べています。ここでは米は1キロ17ドル(約1800円)もします。ダマスカス中心部では1キロ1ドルなのに。でも他に食べ物が手に入らないので、高くても米を食べるしかないのです。運よく野菜が手に入ったときはスープをつくり、小麦粉が手に入ったときは、ストーブで薄いパンを焼きます。
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