◆シリア政府軍 東ゴータの半分ちかくを制圧か
シリア政府軍の激しい攻撃が続くダマスカスの反体制派エリア・東ゴータ(東グータ)。政府軍側はこれまでに半分近くを制圧した模様だ。東ゴータのサクバにいる地元フォトジャーナリストのアブドゥル・アルバセッド氏(28)とネット回線を通じて8日午後、現地の状況を聞いた。(玉本英子・アジアプレス)
政府軍の大規模軍事作戦が始まったのは2月18日。戦闘機による空爆では反体制武装組織の軍事拠点だけでなく、多数の住民も犠牲となっている。「国境なき医師団(MSF)」は2月18日から2週間の間に殺された民間人は少なくとも1005人、負傷者は4829人と伝えた。
◆瓦礫に埋もれたままの遺体
東ゴータ・サクバで取材活動を続ける地元フォトジャーナリスト、アブドゥル氏は、住民の死傷者があいついでいると話す。
「爆撃や砲撃が止むことがありません。道が寸断され、移動することが難しくなりました。瓦礫の下に死んだ子どもたちがいるという情報を得ましたが、取り出せない。空爆があるため、遺体を埋めることもできません。病院の手術室の前に、負傷した人たちが列をなしている状況です」
空爆下、東ゴータの住民の状況を伝え続けてくれるアブドゥル氏。通信がつながるときに音声メッセージでやりとりをするが、回線は途絶えがちになった。
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