◆2人の息子が2月下旬に戦死 悲しみの淵に
トルコ軍とシリア武装諸派によるシリア北西部アフリンでの大規模な侵攻作戦は今も続く。クルド組織・人民防衛隊(YPG)との攻防戦のなか、また民間人にも多数の死傷者があいつぐ。アフリン住民の主婦、バデーア・アル・ラハマン(59)さんはYPGの戦闘員だった3人の息子を失った。うち2人は2月下旬に亡くなったばかりだ。ネット回線のメッセージ通信を通してその思いを聞いた。前回に続いて掲載する。(玉本英子・アジアプレス)
主婦・バデーア・アル・ラハマン(59):
現在、トルコ軍と自由シリア軍などの組織が、アフリン市のすぐそばまで侵攻しています。携帯電話で見せてもらったイスラム過激派の映像では「アフリンでクルド人の首を斬る」などと叫んでいました。
私たちは、逃げて土地や家を奪われるか、残って殺されるか、どちらかを選ばないといけないのでしょうか。2人の息子が死んでまだ2週間、私はどうすればよいのか分かりません。
◆「どうか私たちの命を助けてください」
食料を得ることも難しくなってきました。夫が言うには、3日以上前から大都市アレッポとアフリン市内を結ぶ輸送道路が閉じられているそうです。ガソリンとプロパンガスの値段が高騰しています。
これまで民間人も含めて多くが殺されました。かれらは田舎の村人たちです。殺される理由なんてありません。相手はトルコで、私たちは一方的にやられるだけ。そして私たちの側に立ってくれる国はひとつもないのです。
息子3人はYPGの戦闘員でした。クルドの町や村を守るために、銃を持つことを自ら志願しました。私は彼らの意志を尊重することで精いっぱいでした。故郷を愛し、また親思いの息子たちでした。
息子らの夢は家族とともに普通の暮らしをすることでした。残された妻、子どもたちは、これからどうやって生きていけばよいのか。涙が止まりません。
それは私たち家族だけではありません。シリアの各地では、戦争で住民全員がその苦しみに巻き込まれ、逃れることができない状態にいます。アフリンは消え去ろうとしています。どうか私たちの命を助けてください。
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