4月3日付け朝鮮中央通信は、「対話の相手を否定して誰と対話するつもりか」という論評を掲載し、韓国政府が北朝鮮の人権問題に触れることを牽制した。(石丸次郎)
ジュネーブで開かれていた国連人権理事会は先月23日、金正恩政権に人権侵害犯罪の中断と責任者の処罰を要求する決議案を採択した。
韓国外交部はこれを「歓迎する」というコメントを発表したが、金正恩政権は「南朝鮮当局が対話の幕の裏で、不純な行為をはばかることなくこととしている」と噛みついた。
この牽制の効果があったのかどうか、4日、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は、今月27日に予定されている南北首脳会談では、北朝鮮の人権問題は議題とならないだろうと述べた。
以下は、朝鮮中央通信の論評の全文(小見出しは編集部)。
◆我われを極度に悪魔化
去る3月23日、国連人権理事会第37回会議で米国、日本をはじめ敵対勢力の主導下に我れわれに言い掛かりをつける「人権決議案」が採択されると、外交部のスポークスマンなる者を推し立ててそれを「歓迎する」「北の人権状況を改善するために国際社会と共に持続的に努めていく」という立場を発表した。
これは、我われに対する政治的挑発であり、対話の雰囲気に逆行する許せない妄動である。
敵対勢力がまたもやつくり上げた対朝鮮「人権決議案」は、我れわれを極度に悪魔化することによって朝鮮の自主権と尊厳をき損する一方、それを口実に国際的制裁・圧迫の度合いをさらに強め、ひいては「体制転覆」を実現してみようとする犯罪と謀略の所産である。
敵対勢力は「人権問題」を口実に他国の内政に干渉することを対外戦略実現の主要手口として、対朝鮮圧殺騒動にも積極的に活用してきた。
ところが、南朝鮮当局がそれに相づちを打って、表では対話を、裏では「北の人権」をうんぬんしているのだから、その二面主義的行為は和解を願う心に疑問だけを増している。
いったい、対話の相手の尊厳と体制を否定して誰と対話を行い、関係の改善をすると言うのか。
南朝鮮当局が過去、李明博・朴槿恵逆賊一味が体制上の対決と反統一政策の道具に使っていた「北の人権」の太鼓を相変わらず叩いているのは、時代錯誤の馬鹿な行為だと言わざるを得ない。
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