◆統制強化は韓国との対話とセット
「布告」では違反者は速やかに自首することを求めており、住民には別途「20日間以内に自首すれば許すが、それ以降に検挙した場合は容赦しない」と通告があったという。住民組織の人民班の会議でも「今回は容赦しない」と強い警告があった。「布告」が出されたのは先月19日であるから、今月27日に予定される南北首脳会談を前にして、取締りはピークを迎えることになる。
今回の「布告」の特徴は、韓国との対話の進展に合わせて発布されたことだ。最近、国営メディアでは連日のように、腐ったブルジョア生活様式、資本主義への警戒を訴えている。韓国との対話ムードが、住民の思想動揺や韓国に対する憧れが拡散することを強く意識しているのは間違いない。
特別に「布告」まで出して統制に乗り出したのは、金正恩政権による「許さぬ」という強い意志の現れであるが、裏を返せば、看過できない状況が発生しているということでもある。(カン・ジウォン / 石丸次郎)
※4月10日に記事の一部を修正しました。
「布告」が公開されたのは3月18日ではなく19日でした。また内容も、新たに北朝鮮内部の取材協力者の追加情報をもとに訂正捕捉しました。 「布告」の題目は「反社会主義、非社会主義の行為をする者を厳罰に処すことについて」でした。
また、違反行為の自首については「布告」では期間は明示されておらず、「速やかに取締り機関に自首せよ」とだけ書かれてあり、別途に職場や地域組織で「20日間以内に自首すれば許すが、それ以降に検挙された場合は容赦しない」と口頭で説明があった、とのことでした。訂正いたします。
【合わせて読みたい記事】
◆<北朝鮮内部>微笑み外交に必死の金正恩氏 韓国恐れて裏で住民統制の徹底を開始
◆韓国芸術団の平壌公演 秘密警察が観客の人選・拍手・歓声まで徹底統制 そのからくりとは?
おすすめ<北朝鮮> 写真特集・無料動画…