脱北防止のため中国との国境には有刺鉄線が張り巡らされている。2017年7月中国側から撮影石丸次郎(アジアプレス)

◆家畜のように囲われて暮らしている

――実現できると思いますか?
無理ですね。(この国では)人と話すこともできない、聞くことも許さない。閉じ込められているのです。じいさんの代も、父親の代も、孫になっても同じなのです。(※金日成―金正日―金正恩の三代にわたり統制は変わっていないの意)

「あの一家」は、自分たちだけがいい暮らしができればよく、我われは家畜のように(柵の中で)暮らしているんです。開放しようとしないんだから、(私の夢が)実現できるばずがありません。

――なぜ政府は民衆を海外に出させないのでしょうか?
外に出したら「知ってしまう」からでしょう。(派遣労働で)ロシアやクウェートに行ってきた人がいますが、私たちとは違います。多くのことを知ってしまった。いわば「資本主義の水」を飲んでしまったわけです。(当局の言うことに)「ケッ」なんて言っています。だから、国民をできるだけ外に出さないようにする。もし皆が外国に行けるようになったら、「あの一家」は統制できなくなるじゃないですか。

※アジアプレスでは北朝鮮国内に中国の携帯電話を搬入して連絡を取り合っている。

【合わせて読みたい記事】
<北朝鮮内部>正恩氏夫人のリ・ソルジュ氏に反発の声 「小娘が女史だなんて」
<北朝鮮女性インタビュー>「政府? 信じる人はもういませんよ」 金正恩氏を「あの人」と呼ぶ庶民
絶対に外国人の目に触れない平壌のホームレスの姿撮った(10枚)

おすすめ<北朝鮮> 写真特集・無料動画…

★新着記事