ISがシンジャルを制圧した2014年8月以降、町と村の奪還を巡って激しい攻防が続いてきた。IS襲撃前に地域の防衛にあたっていたクルド自治政府のペシュメルガ部隊、そして地域一帯に勢力圏を広げていたクルディスタン労働者党(PKK)だ。
クルド部隊の猛攻をうけて、シンジャルの一部地区から一時撤退に追い込まれたISだが、近郊のタラファルやバアジなどから援軍を送り込み、町をめぐって一進一退の状況が続いた。この頃、クルド人どうしの組織であるはずのペシュメルガとPKKの政治的対立関係が顕在化し、IS掃討作戦に影響を与えることとなった。
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