ISは拉致したヤズディ教徒の女性・女児を、戦闘員と強制結婚させたり、戦闘員どうしで売買した。まるでモノを売り買いするかのごとく携帯SNSで値段交渉し、取引した。他方、拉致した少年たちを戦闘員訓練所に入れた。連絡がつく家族には身代金を要求するなどした。
ノビラス一家は、拉致された子どもの消息がわからず、不安のどん底にあった。
2016年9月、IS戦闘員を名乗る男が、父ハッサンの親戚を通して携帯電話にメールと映像を送って来た。そこには拉致された次男、三男が写っていた。3万ドル(約300万円)の身代金と引き換えに解放してやる、と男は伝えてきた。ところがその後、連絡は途絶えてしまう。
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