参考書は、敬愛する元帥様が持っておられる非凡な天稟と、偉人らしい風貌、不滅の業績を学生に体得させる元帥様の革命活動内容であり、21の課で構成し22時間の教授で進行するようにした。
各課では、敬愛する元帥様の偉大さを深く認識させるための基本的な内容を与えて、討論問題と党の政策化資料を提示した。
教職員は、この科目の教授の目的と使命に合わせて教授を偉大性教育に一貫させるために積極的に努力することにより、すべての学生を敬愛する元帥様を、先頭に立って決死擁護し、元帥様の先軍革命領導を忠実に奉じていく強盛朝鮮の柱として立派に育てなければならない。
二一に及ぶ課は無内容、荒唐無稽なものばかりだ。八四年一月生まれとされる金正恩氏に、生徒たちに教え伝えるべき偉大な革命活動実績などあろうはずがなく、実績を無理に作ろうとして、かえって滑稽な内容になってしまっていることが伝わってくる。抜粋してみよう。
・一九九四年(つまり推定一〇歳の時)に、射撃場で移動標的一〇個をすべて命中させ、それを見ていた軍人たちが感嘆の声を上げた。
・金日成軍事総合大学を最優等の成績で卒業した。
・二〇〇九年の光明星節(金正日氏の誕生日)に花火夜会を組織指揮して、偉大な将軍様を喜ばせた。
・万寿台に二人の大元帥様の銅像を建立した。
・陵羅(ルンラ)イルカ館を立派に作った。
・最前線の離れ島の部隊を訪れた。
・平壌の倉田(チャンジョン)通りに新しく建てたアパートに住む労働者家庭を訪ねた。
・人口衛星「光明星3号」を宇宙に打ち上げた。
これらのテーマを教えるための必読文献が指定され、授業で強調するポイント、生徒たちが討論する方向について細かい指示が書かれている。金正恩氏の実績の乏しさから、教科書まで作るのはさすがに困難だと判断して、「教授案」に留めたことが容易に推察できる内容だ。次の3回へ>>>