無事救出されたが、クラッシュ症候群で足を切断

 クラッシュ症候群――。がれきなど重いものに手足などが長時間にわたって圧迫され、解放された後に起こる全身障害のこと。筋肉が圧迫されると筋肉細胞が壊死し、解放されると毒素が血液を通じて全身に広がる。心臓や腎臓などにダメージを与え、亡くなるケースもある。梅崎さんは右膝上5センチから下の切断を余儀なくされた。

 「それまで健常者として生きて来て、昨日までできていたことができなくなっていることにショックを受けました。歩けない、膝が曲がらない、屈むこともできない。何度も自暴自棄になりそうでした」

 それでも「夢は諦めなければ必ずかなう」という執刀医の言葉に支えられ、できなくなったことを一つずつ克服してきた梅崎さん。熊本地震への関心が薄れていく中で孤立感を覚えることもあると吐露した。

 阪神・淡路大震災の被災者は何度もうなずきながら耳を傾ける。ピアノの下敷きになって高次脳機能障害になった城戸洋子さん(38)=神戸市北区=の母美智子さん(65)は「障害者だからといって甘えることに恥じることはないのよ」と声をかけた。

 梅崎さんに笑顔が広がった。「大学でも同じ境遇の人と巡り合うことはなく、思いを共有できる人はいない。今回、交流会に参加して同じ境遇の人たちと出会い、自分の苦悩に共感してくれる人と話し合うことができ、胸につかえていたもやもやとした気分を吐き出すことができました」

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