■人ごとと思わないで 今も苦しむ「震災障害者」
14年8月に発生した広島土砂災害で夫を亡くし、自らもクラッシュ症候群で左足を切断した宮本孝子さん(78)=広島市安佐北区=は、今でも痛み止めの薬が手放せないと言い、「喪失感から感情をなくした時期もありました」と打ち明けた。阪神・淡路大震災で脊髄を損傷し車いす生活を送る飯干初子さん(71)=西宮市=が励ましの言葉を送った。「苦しいこともあるでしょうが、一緒にがんばりましょう」
宮本さんに付き添った長女の祥子さん(46)は「広島では同じ境遇の被災者と交流できる場がありません。母も自分で好きな時に出られなくなり、閉じこもりがちでしたが、来てよかったです。阪神・淡路大震災で障害を負った人たちが、気持ちが沈んだ時にどう心をコントロールしているのか知りたかったのですが、皆さんお元気で、よく笑っている。元気をいただきました」と語った。
牧理事長は「災害でこのような人が多く出ており、今も苦しんでいるという事実を他人事ではなく、『明日はわが身』として考えてほしい」と話している。