中国、韓国、米国の首脳と連続して会談を行ったことで、北朝鮮国内では金正恩氏の評価が好転し、権威高揚にも成功したように見えた。だが、7月に入って以降、住民の間で政権に対する失望の声が広がっていることが分かった。経済悪化が続き暮しが改善される兆しが見えないことに不満が強まっている。(石丸次郎)
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4月27日に板門店で行われた南北首脳会談。金正恩氏が軍事境界線を越えて南側に入り、文在寅大統領と握手する場面を、一日遅れで北朝鮮の住民もテレビで見た。国内の取材パートナーたちに感想を求めると、
「感動した」
「敵地に入っていく金正恩元帥の勇気はすごい」
「これで暮らしが良くなる」
「南が助けてくれる」
と、喜びと期待を露わにする人が大半だった。その後、習近平中国主席と計3度、さらに6月12日にトランプ米大統領と首脳会談もこなし、金正恩氏に対する国内の評価は急上昇した。
ところが、板門店会談から3カ月が過ぎた今、北朝鮮国内で失望の声が広がっている。変化が見えず、経済悪化が続いているからだ。
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