乳幼児、子どもの死亡率 「良き仲間たち」調べ

私は現地での難民取材の経験から「よき仲間たち」の報告は決して誇張ではなく、北朝鮮の飢饉に関する調査報告としてはもっとも信頼できるものだと確信している(韓国の金大中政権も19992月に、「この4年間に300万人以上が飢餓などで死亡」と発表し、北朝鮮当局は南諜報機関のでっち上げだと反論した。その後、韓国では政府機関によって様々な数値が出されるようになる)。

北朝鮮の人口は92年の国連人口基金(UNFPA)との合同調査によると、約2100万人である。仮に95年から98年の間に300万人が飢餓のために死んだとすると、人口の約15パーセントだ。

この膨大な国民を死に至らしめ、なお根本的解決策をとらず放置しているとすれば、これでは政権担当能力がないことは言うまでもなく、人道に対する重大な犯罪行為が行われていると言わざるをえない。

今日は、食糧難が直ちに大規模で長期の飢饉に結びつく時代ではない、と私は認識している。ほとんどの食糧難は予見できるし、国際社会からの援助は迅速に入るのが今や常識となっている。大量の餓死者が出るような事態は、当該国政府の無策か、きちんとした配分が意図的になされずにいる結果である。

北朝鮮でも、食糧危機の原因、地域、規模を明らかにして、国際社会とともに配分と輸送を効率的に行うだけで、飢饉は最小限に食い止められ事態は収束に向かうはずであった。

ところが、事態は大規模かつ長期的な「飢餓の常態化」という最悪の状況に至ってしまっている。
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